ヘアスタイルの現場や日常会話において混同されがちな「おさげ」「ツインテール」「三つ編み」。美容業界のスタイリング定義および服飾文化史の観点から整理すると、これらには明確な境界線が存在します。
まず、おさげの語源・由来は平安時代の貴族女性の基本様式であった「垂髪(さげがみ)」に遡ります。髪を結い上げず、背中や肩に垂らしておく状態を指した言葉が、明治・大正期の女学校制度の導入とともに、扱いやすく清潔感のある「髪を左右または後方の低い位置で結び下げたスタイル」を指す呼称へと定着しました。つまり、おさげは「結び目の位置が耳より下にある構造」そのものを指すカテゴリー用語です。
これに対し、「三つ編み」は3本の毛束を交差させる編み方の技法(プロセスの名称)であり、おさげの一種として三つ編みが用いられることはあっても、イコールではありません。また「ツインテール」は、耳の上部や側頭部の高い位置で左右に結び、毛先を跳ね上げるように主張させるポップカルチャー発祥のスタイルを指します。