「大島さん?」「児嶋だよ!」――このお約束のフレーズは、元々計算し尽くされたコントのネタとして作られたものではなかった。かつて番組の収録中、共演者から名前をわざと間違えられた際に、本気でイラッとした彼が思わず大声で言い返したハプニングがすべての始まりだったという。
「名前を覚えてもらえない」という若手時代の切実なコンプレックスと苛立ち。それが図らずもスタジオの大爆笑を生み、言葉のテンポ感と破壊力に着目した周囲の芸人たちによって洗練されていった。今では他番組のゲスト出演時のみならず、街頭ロケやSNS上でもイジられるこのフレーズだが、単なるギャグの枠を超えて、共演者との信頼関係があってこそ成り立つ高等なコミュニケーション技術へと進化を遂げている。