近年、アーカイブ映像の視聴環境は劇的な進化を遂げた。MLB.TVの過去試合ライブラリやNetflixが手掛ける重厚なスポーツドキュメンタリー、そしてDAZNによるハイライト配信など、過去の名シーンが高画質で再検証される機会が増えている。デジタルリマスターされた過去の映像から、松井の足跡を再発見するファンも少なくない。
しかし、映像テクノロジーが発達した現代だからこそ、スポーツジャーナリズムにおける「私生活の線引き」が改めて問われている。アスリートの超人的なプレーを称賛することと、その家族のプライバシーを暴き立てることは全くの別物だ。松井が敷いた境界線は、SNSによる私生活の切り売りが当たり前となった現代のプロスポーツ界において、かえって新鮮な品格として再評価されている。