1983年、日本芸能界に前代未聞の芸能プロダクションが誕生した。プロ野球・東映フライヤーズの投手から怪我を機に俳優へと転身した八名信夫が旗揚げした、悪役専門のグループである。「悪役が主役を食うほどの存在感を示さなければ、作品は面白くならない」という強烈な自負が、男たちを団結させた。
コマーシャルで見せた「まずい!もう一杯」のフレーズでお茶の間の人気者となった八名だが、その素顔は極めてストイックな表現者だった。彼が劇団員に徹底させたのは「画面の外では誰よりも礼儀正しく、清潔であれ」という鉄則だ。悪を演じる者だからこそ、私生活の乱れは演技の嘘を見抜かれる。その厳格な倫理観と確かな演技力が、単なる色モノ集団に終わらない唯一無二のブランドを築き上げた。