摘み取った脇芽のうち、長さ10〜15cm程度に育ったしっかりした芽は、捨てずに「挿し木(さし芽)」として活用できます。トマトは茎の表面から不定根(気根)を容易に出す性質があり、驚くほど高い確率で発根します。
手順は極めてシンプルです。摘み取った脇芽の下葉を2〜3枚落として蒸散を抑え、清潔な水を入れた容器に浸けて明るい日陰に置きます(水耕栽培発根法)。水は毎日交換し、約5〜7日経過すると白い根が勢いよく伸びてきます。根が2〜3cmに達した段階で培養土のポットへ移植すれば、元の親株とまったく同じ遺伝子を持つ健全な苗が完成します。
6月上旬から7月に挿し木苗を作っておくことで、親株が夏の暑さで疲弊して収穫が終わる初秋以降も、第2陣のフレッシュな株から10月〜11月まで継続して完熟トマトを収穫できます。
また、ごく初期に摘んだ柔らかい脇芽の先端部分は、水洗いしてアク抜きをすれば「天ぷら」や「おひたし」として食用に活用することも可能です。トマト特有の爽やかな香りと適度なほろ苦さが楽しめる、生産者ならではの隠れた初夏の味覚です。