「企画当初は業界内でも猛反発がありましたよ。『土俵を愚弄している』と一蹴されるのがオチでした」。そう語るのは、今回のプロジェクトに初期段階から携わってきたチーフプロデューサーだ。これまでの相撲コンテンツといえば、ストイックなアスリート像や歴史絵巻としての重厚さが前提とされてきた。しかし本作が狙ったのは、泥臭くもどこか滑稽で、規格外の衝動を抱えた人間たちの剥き出しのドラマだ。
現場では極限の肉体改造と同時に、あえて「型を崩す」緻密な演出が徹底されたという。元力士の指導のもとで行われた稽古は過酷を極めたが、求められたのは様式美ではなく、生き残るために必死でもがく生々しい所作だった。完成した映像が配信されるや否や、世界各国で視聴ランキングのトップに躍り出た理由は明白だ。従来の相撲界の常識を覆すリアルな葛藤とユーモアの融合が、視聴者の予想を鮮やかに裏切ったからに他ならない。