ネット検索や質問掲示板を眺めると、「過度なストレスで血尿が出ることはあるか」という相談が数多く投稿されています。しかし、泌尿器科専門医の見解は明確です。ストレスそのものが血管を破綻させて血尿を直接引き起こすことは、医学的にまずあり得ません。
過労や精神的ストレスは免疫力を低下させ、その結果として細菌感染による急性膀胱炎を発症しやすくなる間接的な引き金にはなり得ます。しかし、それを「ストレス血尿」と自己診断して片付けるのは極めて危険です。背後にある真の原因から目を逸らす免罪符になりかねません。
また、尿が赤く見える原因として、激しい筋力トレーニング後に筋肉の細胞が壊れて生じる「ミオグロビン尿」や、特定の抗生物質・結核治療薬、多量のビーツ(赤カブ)摂取による着色尿も存在します。しかし、これらは尿検査の試験紙(潜血反応)や顕微鏡検査を行わなければ、真の赤血球由来の出血と区別がつきません。「激しい運動をしたから」「サプリメントのせいだろう」と素人判断で結論付けるのは、治療の黄金期を逃す致命的な失策となります。