ネット上の知恵袋やSNSコミュニティでは、「漢字テストの前日はドリルを何回もノートに書いて手を動かせば点数が取れる」という言説が今なお散見されます。しかし、学習心理学や認知科学の観点から見ると、同じ漢字を機械的に10回以上書き連ねる作業は最も非効率な学習法の一つです。
繰り返し手を動かしている最中、子どもの脳内では「字形を覚えること」ではなく「マス目を早く埋めること」へと目的がすり替わります。結果として、脳の認知的負荷(ワーキングメモリの活用)が働かず、覚えたつもりになったままテスト本番でど忘れする事態に陥ります。
また、答えを見ながら書き写すだけの作業も記憶への定着率を著しく下げます。大切なのは「覚えるためのインプット」ではなく、「思い出そうと頭を絞るアウトプット(想起練習)」の回数です。