そもそも「ご苦労様」という言葉は、身分の高い者が目下の者の労をねぎらう際に使われてきた歴史的経緯がある。江戸時代の武家社会や明治以降の官僚制の中で醸成されたこの言語習慣は、高度経済成長期の日本企業において「絶対的マナー」として定着した。
目上の人間が、自分と会社のために骨を折ってくれた部下に対して「よくやってくれた」という意味を込めて掛ける言葉。だからこそ、下から上への使用は「評価する立場に立っている」かのような無礼にあたる。ロジックとしては非常にシンプルだ。しかし、この「目上・目下」という固定的な上下関係の前提そのものが、現代のフラットな組織構造と噛み合わなくなっている。