長年の課題だった制球力不足。それを克服するために藤浪が取り組んだのは、感覚頼みの調整ではなく、徹底した科学的アプローチだった。最新の動作解析技術を取り入れ、踏み出す足の位置、軸足の股関節の使い方、リリースポイントのミリ単位のズレを可視化。自分の長身特有の慣性モーメントをいかに制御するかという課題に向き合い続けた。
「投げ終わった後の姿勢を見れば一目瞭然だ。軸がまったくぶれていない」と語るのは、今オフのトレーニングを共にしたピッチングコーチだ。無理な力みを削ぎ落とし、身体の連動性だけで100マイルを弾き出すメカニクスを体得したことが、制球難という長年の呪縛を解き放つ最大の要因となった。