折板屋根に関してインターネット上で広まっている情報の中には、建築工学的に重大な誤解が含まれているケースがあります。代表的な2つの盲点を整理します。
誤解1:「雨漏りだと思ったら、実は猛烈な結露だった」
冬場から春先にかけて「天井から水滴が落ちてくる」と雨漏り修理を依頼したところ、原因が屋根本体の漏水ではなく「結露水」だったというケースが現場では日常茶飯事です。折板屋根の最大のデメリット・特徴は、熱伝導率が極めて高い金属単板で構成されている点にあります。屋根裏面の断熱材(ペフ)が経年劣化でボロボロに剥がれ落ちると、室内の温かく湿った空気が冷やされた鋼板に直接触れ、天井一面に大量の水滴を発生させます。この結露対策には、裏面断熱材の再施工や遮熱・断熱機能を持つ塗料の塗布、十分な換気設備の確保が欠かせません。
誤解2:「ボルトキャップを被せればサビは絶対に防げる」
サビ対策の定番である「ボルトキャップ」ですが、取り付け方法を誤ると逆効果になります。すでに赤サビが発生しているボルトに、サビ落としや防錆シーリング材の充填を行わずに樹脂キャップを被せるだけの施工をした場合、内部に湿気が閉じ込められて腐食が急速に加速します。プロの現場では、「入念なケレン作業 + 防錆プライマー塗布 + シーリング材を内部に充填した密着型ボルトキャップの装着」が必須工程です。