「me me she」が放つ唯一無二の切なさは、緻密に計算されたコード進行の美しさに裏打ちされています。楽曲全体のキーは変ホ長調(E♭メジャー)ですが、アコースティックギターで演奏する場合はカポタストを1フレットに装着し、Dメジャーのフォームで弾くスタイルが最もスタンダードです。
Aメロからイントロにかけて展開される進行の骨格は、いわゆる「カノン進行」をベースにしたベースライン下降系のコードワーク(D → A/C# → Bm7 → D/A → G → D/F# → Em7 → A7)です。コードが変わるごとにベース音が1音ずつ階段状に下がっていくアプローチが、聴き手の胸に迫る哀愁とノスタルジーを生み出しています。
サビ部分ではサブドミナント(G)からの展開によって感情の高まりを描き出し、Bメロの浮遊感のあるテンションコード(Gadd9やAsus4など)がメロディの情緒を劇的に引き立てます。単調なストロークに終始せず、コード進行の持つ推進力を意識することが演奏表現の第一歩です。