歴史を振り返れば、この強靭な組織風土は一朝一夕に作られたものではない。かつて同庫を牽引した堤静雄元理事長をはじめとする歴代トップが徹底したのは、「地域と運命を共にする」という相互扶助の原点だった。
川崎信用金庫創業100周年事業を経て打ち出された長期ビジョンは、過去の栄光への安住を明確に否定している。重厚長大産業の街から先端医療や環境技術の集積地へと変貌を遂げる川崎の街並み。その変化に合わせるように、同庫もまたスタートアップ支援や産学連携ファンドの組成へと領域を広げた。先人たちが築いた盤石な財務基盤があるからこそ、リスクを取った新たな挑戦が可能になっている。