圧倒的な能力を誇りながら、なぜラーラ・タイバーはエレンに敗れ、命を落とすことになったのか。そこには構造的な欠点と、実戦経験の差がもたらした明確な敗因が存在します。
最大の弱点は、硬質化による武器生成と巨人の再構築に伴う急激なエネルギー消耗でした。戦鎚の巨人は短時間でエレンの進撃の巨人を大破させるほどの爆発力を発揮した反面、連続して大技を繰り出したことでラーラ自身の体力が限界に達し、急速に継承解除へ追い込まれました。
さらに致命的だったのは、実戦経験の絶対的な不足です。過去100年間、タイバー家は平和な名門貴族として君臨し、対巨人戦や過酷な戦場を経験していませんでした。百戦錬磨の調査兵団や、数々の死線を潜り抜けてきたエレンの戦術眼の前では、遠隔操作の生体コードを見抜かれ、本体を掘り出されるのは時間の問題だったといえます。
結晶体に籠もるラーラに対し、エレンは自身の爪や歯では傷ひとつつかないことを確認すると、乱入してきたポルコ・ガリアード(顎の巨人)を捕獲。顎の強靭な咬合力と硬質化された爪を「くるみ割り人形」の道具として強制的に利用し、ラーラを包む結晶体をバリバリと噛み砕かせました。
結晶から漏れ出たラーラの血液と脊髄液をその場ですべて飲み干したエレンは、「戦鎚の巨人」の能力を完全に継承。無抵抗のまま捕食されたラーラの死亡シーンは、巨人の力を持つ者の残酷な食物連鎖と、戦争の冷徹さを象徴する場面となりました。