細木数子氏の人生において、事業と血脈の両面で最大のターニングポイントとなったのが、後継者である細木かおり氏との「養子縁組」でした。世間一般には「実の娘」と思われているケースも多いですが、血縁関係としては細木数子氏の実妹の長女、すなわち「姪」にあたります。
幼い頃から数子氏の深い寵愛を受けて育ったかおり氏は、母同然の存在として数子氏と寝食を共にしました。数子氏は早くから彼女の霊感や人間的な器量を見抜き、「この子にすべてを継がせる」と心に決めていたと伝えられます。かおり氏が中学2年生の頃からお見合いを勧め、19歳で結婚させたというエピソードは、常識を超えた数子流の「家族観」として当時大きな話題を呼びました。
その後、かおり氏は3児の母として家庭を支えていましたが、数子氏の強い要請を受け、2014年頃から本格的にマネージャー兼アシスタントとして占術の現場に入ります。そして2016年、正式に養子縁組を結んで戸籍上の「母娘」となり、六星占術の継承者として公認されました。
この養子縁組は、感情的な絆だけでなく、法的な相続権と事業の正統性を一本化するための極めて合理的かつ冷徹な戦略でした。占術界では開祖が亡くなった途端、弟子や親族の間で「我こそが正統な後継者だ」と分裂騒動が起きるのが常です。数子氏は自らが築いた「六星占術」という巨大な宗教的・ビジネス的ブランドを寸断させないため、血縁と法的手続きの両面でかおり氏を唯一無二の後継者に据えたのです。