ネット上の言説と、リアルな現場におけるファンの受け止め方には、どのような実態があるのでしょうか。SNS上の言及分析、知恵袋の相談履歴、そして原宿やサンリオピューロランドなどの現場観察を通して見えてくるのは、マイメロディに対する驚くほど重層的な受容のあり方です。
長年サンリオファンを取材する現場記者の証言によると、「2010年代半ばから、マイメロディは単なる子供向けキャラクターから、いわゆる『量産型・地雷系女子』の感情を代弁するアイコンへと急速に変貌を遂げた」といいます。SNS上では「マイメロちゃんの無敵のポジティブさに救われる」という声がある一方で、「マイメロディのようになりたいけれど、実際は報われないクロミ側にしか感情移入できない」という切実な吐露が数多く見受けられます。
知恵袋や5ちゃんねる等で交わされる生の反応を検証すると、読者の意見は大きく2つに二極化しています。
「仕事で人間関係に疲れ果てた時、他人の悪意を一切跳ね返すマイメロディの『思考停止とも言える天真爛漫さ』が究極のメンタル防壁に見える」(20代・女性会社員)
「クロミノートのエピソードを読むたびに胃が痛くなる。現実世界で自分をいじめてきた『悪気のない人気者』の顔がフラッシュバックする」(30代・公務員)
このように、マイメロディという存在は、受け手のメンタル状態や人生経験によって「癒やしの聖母」にも「無慈悲な絶対強者」にも映る、特異な心理的鏡面として機能している実態が浮き彫りになっています。