衣類の汚物を取り除いた後は、繊維の深部に残るウイルスを完全に不活化させる工程へ移ります。厚生労働省感染症対策マニュアルに準拠したインフルエンザ嘔吐洗濯手順の基本は、「下洗い」「消毒」「単独洗濯」「完全乾燥」の4段階です。
まず、バケツや洗面器にぬるま湯を張り、衣類表面の汚れをもみ洗いして落とします。この汚水は周囲に飛び散らないよう静かにトイレへ流してください。次に消毒液の調製です。市販の塩素系漂白剤ハイター(濃度約5〜6%)を使用する場合、次亜塩素酸ナトリウム希釈は以下の基準を目安にします。
嘔吐物が直接付着した衣類の場合、水3リットルに対してハイターのキャップ約1杯弱(約12ml〜15ml)を溶かすことで、約200ppm(0.02%)〜250ppmの消毒液が完成します。より強力に除菌したい場合や感染経路が不透明な時は、水3リットルにキャップ2杯(約50ml)で約1000ppm(0.1%)に設定し、10分〜30分程度浸け置きします。
ただし、塩素系漂白剤は色柄物を激しく脱色させます。色落ちを防ぎたい衣類に関しては、熱湯消毒85度以上(85℃以上で1分以上、または80℃で10分以上)の浸漬処理が極めて効果的です。熱湯を張ったバケツに衣類を沈め、規定時間放置した後に通常洗濯を行うことで、繊維を傷めずにウイルスの外膜を破壊できます。