人口43万人を超え、東葛エリア屈指の購買力を誇る柏市に、なぜコストコが進出しないのでしょうか。コストコがグローバルで掲げる標準的な出店要件と、コストコ出店条件と柏市の現状を照らし合わせると、明確な構造的障壁が見えてきます。
この比較データから導き出される柏市にコストコができない理由は、主に2つの構造的制約に集約されます。
第一に、「新三郷倉庫店」と「千葉ニュータウン倉庫店」の間に挟まれた商圏立地です。コストコにとって柏市は、東西の既存大型店舗からそれぞれ車で30分前後の「すでに会員網をカバーできているエリア」にあたります。ここに自社店舗を新設しても、新規会員の獲得よりも既存2店舗の売上を奪い合う「自社競合(カニバリゼーション)」を引き起こすリスクが高く、出店優先順位が下がります。
第二に、国道16号や呼塚交差点を中心とする慢性的な道路渋滞です。1回で大量の商品を買い込むコストコのビジネスモデル上、来場者の9割以上が自家用車を利用します。週末に数千台規模の車両を吸い込む施設を柏市内の幹線道路沿いに建設することは、周辺地域の交通麻痺を招くため、警察や行政との開発調整が極めて難航します。