披露宴の花束贈呈の代わりに、形に残る品や日々の暮らしを豊かにするアイテムを選ぶカップルが主流となった背景には、受け取る親側のリアルな事情があります。シニアライフや住環境の変化を背景に、親世代が抱く本音と建前には明確な乖離が存在します。
大手ブライダル関連企業やWEBメディアが実施した親世代向け意識調査によると、「結婚式の記念品で嬉しかったもの」の上位には、以下のような特徴を持つアイテムが並びます。
- 生まれた瞬間の記憶を呼び覚ます品:出生体重と同じ重さで作られた「体重米」や「ウェイトベア」
- 三家族の新たな絆を象徴する工芸品:1枚の木目が途切れず繋がる「三連時計ギフト」
- 日常をワンランク格上げする実用アイテム:高級トースターや上質な羽毛布団、ペアの江戸切子グラス
- 自分たちでは買わない非日常体験:温泉旅館のペア宿泊券や老舗料亭のディナーチケット
一方で、SNSや知恵袋、取材現場でしばしば吐露されるのが「正直もらって困ったプレゼント」の存在です。代表例として挙げられるのが、大型すぎる手作りの似顔絵ボードや、ポエム調の言葉が大きく刻印されたアクリル盾。「感謝の気持ちは嬉しいものの、自分たちのリビングのインテリアに合わず、片付けるのも忍びない」という葛藤を抱える親は少なくありません。
また、遠方から上京・来場した親にとって、重くてかさばる生花や壊れやすい陶器は、帰りの新幹線や航空機での移動時に大きな負担となります。親へのプレゼント選びで成否を分ける境界線は、「渡す瞬間の見栄え」だけでなく「式が終わった後の親の生活導線」まで想像力を働かせられているかという点にあります。