縁壱の生涯を語る上で欠かせないのが、双子の兄である継国巌勝(のちの上弦の壱・黒死牟)との愛憎劇です。名家の跡取りとして武士の頂点を目指していた巌勝にとって、弟である縁壱の底知れない才能は狂おしいほどの嫉妬と劣等感の対象でした。
痣を持つ者が25歳未満で命を落とすという「痣の代償」を恐れ、さらなる武の極みを求めて鬼へと堕ちた巌勝。数十年後、再会した縁壱は80歳を超えた老人の姿でありながら、痣の呪いを克服し全盛期と変わらぬ神速の剣技を保持していました。兄を憐れみ涙を流す縁壱の姿は、巌勝のプライドを永遠に打ち砕く結果となったのです。