コミュニティやSNS上には、「喉に何かが詰まって息が吸いづらい」「耳鼻科を3軒ハシゴしたが異常なしと言われ、絶望した」という切実な声が溢れています。当事者を最も追い詰めるのは、周囲からの無理解と「がんや重病なのではないか」という心気的な恐怖です。
「異常なし」という医師の言葉は医学的には安心材料であるはずですが、本人にとっては「ではこの苦しみは何なのか」という宙吊りの状態を生み出します。その結果、喉へ意識が過剰集中(自己注目)し、些細な感覚のゆらぎを脳が拡大解釈して症状をさらに悪化させるという負のスパイラルに陥ります。
現場の診察室でも、患者が「命に関わる病気ではない」と論理的に納得した瞬間に喉の筋肉の緊張が緩み、症状が半減する場面がしばしば見られます。病態の正体を正しく知ること自体が、有力な治療的介入となります。