鬼灯を語る上で欠かせないのが、毎年7月9日・10日に東京都台東区の浅草寺で開催される「ほおずき市」です。境内には数百軒の露店が立ち並び、色鮮やかな朱色の鉢植えや風鈴が初夏の風物詩として境内を彩ります。
ほおずき市のルーツは江戸時代中期の明和年間(1764〜1772年)、現在の港区愛宕にある愛宕神社の縁日に始まります。当時、「鬼灯の実を水で丸呑みすると、大人は癪(しゃく=胸や腹の激痛)が治り、子どもは疳の虫(かんのむし=夜泣きや癇癪)が治まる」という信仰が広まり、薬草として評判を呼びました。その後、より大規模な浅草寺の「四万六千日(しまんろくせんにち)」の縁日と結びつき、現在のような大盛況の市へと発展していきました。
四万六千日とは、この日に参拝すると「4万6,000日(約126年分)日参したのと同じ功徳が得られる」とされる特別な吉日です。江戸の人々は、一生分の功徳を授かると同時に、無病息災・雷除け・厄除けを祈願して鬼灯を買い求めました。現代でも浅草のほおずき市は、夏の訪れを告げる伝統行事として多くの参拝者で賑わっています。