オープンエアの植物園において、雨天は一般的に「最大の天敵」と見なされます。せっかくの旅行日程が悪天候と重なり、行き先に頭を抱えた経験を持つ方も少なくないはずです。しかし、とっとり花回廊が全国のフラワーパークと決定的に一線を画しているのは、「雨の日こそ真価を発揮する」と断言できる全天候型の建築構造にあります。
園内の中核をなすのは、周囲約1kmにわたって張り巡らされた屋根付きの「展望回廊」です。地上数メートルの高さに設置されたこの回廊は、すり鉢状に広がる園内全体を見渡せるパノラマビューを確保しながら、雨風を完全にシャットアウトします。足元が濡れる心配もなく、ベビーカーや車椅子でも段差なしでスムーズに周遊できるバリアフリー設計は、現地を歩いた多くの来園者が絶賛するポイントです。
さらに、回廊の中心に堂々と鎮座するのが、直径50m・高さ21mを誇る巨大ガラス温室「フラワードーム」です。ドーム内部には熱帯・亜熱帯の植物をはじめ、色鮮やかな洋ランや巨大なヤシの木が生い茂り、外の冷たい雨や風とは無縁の別世界が広がっています。霧雨に煙る幻想的な大山の借景を屋根の下から眺めつつ、しっとりと濡れて色彩を増した花々を特等席で愛でる体験は、晴天時とはまた異なる深い情緒をもたらしてくれます。