警察署からの着信履歴を目にした際、誰もが抱くのが「一体なぜ自分が?」という純粋な困惑です。警察内部には多種多様な課が存在し、それぞれまったく異なる目的で市民の携帯電話へ連絡を入れています。警察庁の業務統計や現場捜査員の運用実態を照らし合わせると、連絡が入る主な要因は次の6つに集約されます。
最も件数として多く、かつ平和的な要件が「会計課」からの落とし物(拾得物)に関する連絡です。財布、スマートフォン、運転免許証、クレジットカード、鍵などを紛失した際、拾得者が警察に届けると、身元情報から持ち主の電話番号を割り出して引き取りを依頼してきます。心当たりがない場合でも、「数日前に立ち寄った商業施設でポイントカードを落としていた」といったケースが頻繁に見られます。
次に多いのが、「交通課」からの呼び出しや確認連絡です。自身の所有車両が関与した物損事故、駐車場での当て逃げ被害・加害の確認、放置駐車違反、あるいは家族が交通事故に遭って病院へ搬送された際の緊急連絡が該当します。特に家族の事故に関しては、現場に臨場した警察官が当事者の携帯電話から親族を探し出し、即座に架電してくるため、切迫したトーンになる傾向があります。
市民が最も恐怖を感じやすいのが、「刑事課」や「生活安全課」からの電話でしょう。これらは必ずしも本人が疑われているわけではありません。近隣で発生した盗難事件や傷害事件において、防犯カメラ映像や目撃証言に基づき、付近を通過していた人物に対して目撃者としての事情聴取を依頼するケースが多々あります。また、過去に自分が被害届を出した事案の進捗報告や、盗難被害に遭った自転車が発見された際の手続き連絡も日常的に行われています。
見過ごしてはならないのが、昨今急増している警察官を騙る特殊詐欺の罠です。警察庁が発表した犯罪情勢統計によると、実在する警察署の電話番号を偽装表示させて市民を信用させる手口が深刻な被害を出しています。着信理由が正当な公務なのか、それとも犯罪集団の罠なのかを見分ける視点が不可欠です。