名付けにおいて多くの親が直面する最大の壁が、「女の子の名前姓名判断と画数」をめぐる迷走です。書店に並ぶ名付け本やWebの姓名判断ツールは、流派(熊崎式、五格剖象法など)によって旧字体・新字体の数え方が異なり、同じ名前でも「大吉」から「大凶」まで判定が真逆になるケースが日常茶飯事です。
画数にとらわれすぎた結果、本来入れたかった意味のある漢字を諦め、画数合わせのためだけに日常で使わない難解な漢字を選んでしまう親は少なくありません。しかし、現場の取材で見えてきたのは、「画数を優先して普段読めない漢字をあてた結果、娘が学校や役所で毎回訂正を強いられ、激しいストレスを抱えた」という痛切な実態です。
また、珍しくて被らない女の子の名前を追求するあまり、漢字の本来の読みを無理やり変形させた「当て字」や「ぶった切り読み(例:『心』を『こ』、『愛』を『あ』と読ませる等の多用)」に走り、周囲から浮いてしまう事態も散見されます。2025年施行の改正戸籍法により「氏名の読み仮名は一般に認められているものに限る」という法的基準が厳格化されたいま、親の独創性が暴走した名前は、社会生活において子ども自身に重い説明責任を負わせる結果となります。奇抜さを「個性」と履き違えない客観性が不可欠です。