ネット上のコミュニティや就活相談サイトを覗くと、「二次面接を通過すれば二次面接実質内定と見なして良い」「最終面接は社長や役員の顔合わせに過ぎない」といった書き込みが散見されます。調査報道の観点からこの言説の出どころを検証すると、あながち完全な虚構とは言い切れない歴史的・構造的背景が浮かび上がってきます。
かつての日本型雇用における一部の大学推薦ルートや、創業間もないスタートアップ企業において「現場責任者が採用権限の大半を握っており、最終面接は条件提示の場に過ぎなかった」という限定的なケースが存在していたことは事実です。また、エンジニアなど専門職の中途採用において、二次面接で技術責任者が技術力を完璧に認めた場合、形だけの最終面接が行われる事例も過去には報告されていました。
しかし、民間シンクタンクや大手就職情報会社が公表した採用実態調査によると、一般的な企業における二次面接通過率はおよそ20%〜40%にとどまります。さらに重要なのはその次です。いわゆる「顔合わせ」と揶揄される最終面接落ちる確率は、決して数パーセントの稀な事故などではなく、依然として約50%前後という極めてシビアな水準を推移しています。つまり、最終面接の場にたどり着いた候補者のうち、およそ2人に1人は不合格通知を受け取っている計算になります。
「最終面接意思確認だけ」と過信して対策を怠った応募者が、役員陣から投げかけられる本質的な問いに窮し、選考の土壇場で脱落していくケースは枚挙にいとまがありません。「ほぼ内定」という言葉は、プレッシャーから逃れたい就活生や転職者の願望が生み出したバイアス、あるいは過去の特殊な成功体験が一人歩きした幻想に過ぎないのが実態です。