ここでは、実際の選考現場で高評価を獲得した面接で尊敬する人の回答例と、絶対に避けるべきNGパターンを提示します。
回答例①:恩師や職場の先輩を挙げるケース(新卒・転職共通)
「私が尊敬している人物は、前職で指導役を務めてくださった主任の〇〇さんです。〇〇さんは、どれほど納期が逼迫した大型トラブルの現場であっても、決して感情的にならず、客観的な事実の整理と関係各所への丁寧な説明を貫かれていました。特に〇〇のシステム移行時に予期せぬ障害が発生した際、深夜までチーム全体を鼓舞しながら原因特定を主導された姿は、私の仕事観の原点となっています。私もその姿勢を見習い、トラブル時にはまず一次情報の収集を徹底し、再発防止策まで文書化する習慣を確立しました。御社のソリューション営業においても、困難な局面でチームを支える存在として成果を出したいと考えております。」
回答例②:両親を職業人として挙げるケース(新卒向け)
「私が尊敬する人物は、30年間にわたり地元で町工場を経営している父です。子どもの頃は単に仕事熱心な父という認識でしたが、大学で経済学を学び、中小企業の厳しさを知るにつれて、父が顧客の要求に妥協せず品質を追求し続けてきた凄みを実感しました。リーマンショックの煽りを受けて経営危機に陥った際も、従業員の雇用を守るために新たな金属加工の特許技術を独学で習得し、事業を立て直した不屈の精神を尊敬しています。私自身もその粘り強さを受け継ぎ、大学の研究では〇〇の実験が100回以上失敗しても諦めずにやり遂げました。御社の過酷な市場開拓の現場でも、泥臭く突破口を開いていく覚悟です。」
面接で避けるべきNG回答例
一方で、選考落ちを招く代表例が以下のケースです。
- NG例1(思想・信条・宗教の過度な主張):労働基準法および厚生労働省の採用選考指針において、思想や信条、宗教に関する質問は原則禁止されています。応募者側から特定の政治家や宗教家を熱烈に語ってしまうと、面接官は「公正な採用基準で合否を判定しづらい」と判断し、無用なリスクを警戒します。
- NG例2(他責思考とセットの告白):「尊敬する人は高校の担任です。周りの友達は誰も私を理解してくれませんでしたが、先生だけは味方になってくれたからです」といった回答は、被害者意識の強さや協調性の欠如を疑われます。
なお、どうしても尊敬する人がいない時の対処法として、「特にいません」と突っぱねるのは最悪の手です。「他者から学ぶ姿勢がない」「傲慢な性格」とみなされるためです。その場合は「特定の1人というよりも、〇〇の分野で黙々と努力を重ねている職人気質の方々全般に深い敬意を抱いています」と語るか、あるいは日常の身近なアルバイト先の同僚などを切り口に、特定の一部分を尊敬している旨を謙虚に語るのが賢明な防衛策です。