色と並んで誤解が多いのが「ゴムをどの指に通すか」という指の位置です。大人の記憶の中で「親指に通していた」と錯覚している人が目立ちますが、小学校や保育園で指導される正しい装着位置は「利き手と反対の手(通常は左手)の中指」です。
具体的な手順は次の通りです。まず、青い木片を上に、赤い木片を下にした状態で、赤い木片の窪みが手のひらに収まるよう、左手の手のひらの上に水平に乗せます。次に、連結している丸ゴムの輪を左手の中指の第一関節と第二関節の間に通します。このとき、ゴムの結び目が指の外側(親指側または小指側)に来るように配置すると、指への圧迫感を防ぐことができます。
なぜ親指ではなく中指なのかという点には、身体構造上の合理性があります。親指にゴムを掛けると楽器が手のひらの端に偏ってしまい、叩いた際の衝撃でグラつきやすくなります。対して中指は手のひらの中央軸に直結しているため、カスタネットが手のひらの中央に安定して固定され、手首や前腕の余計な緊張を完全に排除できる利点があります。
叩く側の手(通常は右手)は、人差し指・中指・薬指の3本を軽く揃え、指先のスナップを効かせて上の青い木片をリズミカルに打ち下ろします。手のひら全体を振り下ろすのではなく、手首の柔軟なクッションを活用することで、カスタネット本来の軽快で抜けの良い音色を引き出すことが可能になります。