文部科学省が指針として明確に打ち出した契機は、2021年1月の中央教育審議会(中教審)による答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」でした。答申と連動してまとめられた「教育課程部会における審議のまとめ」において、協働的な学びは「多様な他者と協働しながら、持続可能な社会の創り手となれるよう、必要な資質・能力を育成すること」と定義づけられています。
この理念は、学習指導要領改訂の柱である「主体的・対話的で深い学び」の実現と軌を一にしています。かつて盛んに議論されたアクティブラーニングと協働的な学びの関連性を整理すると、アクティブラーニングが「受動的な学習からの脱却を図る学びの総称」であるのに対し、協働的な学びは「他者との関わりの中で思考を深め、最適解を紡ぎ出すプロセス」に焦点を当てた具体的な学習様態を指します。
教室という集団生活の場において、単に知識を頭に詰め込むのではなく、異なる価値観や背景を持つ仲間と対話を重ねる中で、自らの考えを相対化し、より高次元のアイデアへと昇華させること。これが国が協働的な学びを推進する最大の論拠です。