用語の整理と並んで臨床で頻繁に混乱を招くのが、CPAP(持続陽圧呼吸療法)とNPPV(狭義のバイパップ型換気)の機能的な違いです。どちらもマスクを介した陽圧管理ですが、プレッシャーのかけ方と換気補助のメカニズムには明確な一線が引かれています。
CPAPは呼吸のサイクル全体を通じて「常に一定の陽圧」を気道にかけ続ける仕組みであり、自発呼吸に対する換気量自体の増大(換気補助)は基本的に行いません。一方、バイパップをはじめとする二相性陽圧換気(Bi-level PAP)では、息を吸うときの高い圧力「IPAP(吸気気道陽圧)」と、息を吐くときの低い圧力「EPAP(呼気気道陽圧)」という2つの異なる圧力を自動で切り替えます。この「IPAP − EPAP」の圧力差(プレッシャーサポート)によって一回換気量を強制的に押し広げ、患者の二酸化炭素(CO2)排出を強力にアシストします。
臨床の初期設定では、患者の呼吸苦を緩和するためにEPAPを4 cmH2O、IPAPを8 cmH2O程度からスタートし、胸郭の上がりや動脈血液ガス分析(PaCO2の値)を見ながらIPAPを段階的に2 cmH2Oずつ漸増させる手法が一般的です。このIPAPとEPAPの設定方法の違いこそが、換気をアシストできるNPPVと、気道確保にとどまる単一圧CPAPの決定的な性能差となっています。