カップルが華やかな式を見送る最大のトリガーとなっているのが、容赦ない経済的リアリズムです。結婚式費用平均は、物価高や人件費の高騰を受け、依然として約320万〜350万円という極めて高い水準にあります。招待客数を絞り込むトレンドがあるにもかかわらず、料理のグレードアップや演出の単価上昇により、総額は劇的には下がっていません。
現場取材で見えてくる結婚式挙げない理由の上位には、以下の切実な本音が並びます。
「300万円以上を一日のイベントに投じるなら、新居の頭金や将来の資産形成、2人で行く豪勢な新婚旅行に回したい」という極めて合理的な経済観念。さらに「主役として人前に立ち注目を浴びるのが気恥ずかしい」「職場の人間関係をどこまで呼ぶべきか気疲れする」「準備に数カ月も拘束されるタイパ(タイムパフォーマンス)の悪さに耐えられない」といった心理的ハードルが重なっています。
取材に応じた都内在住の30代会社員男性は、次のように当時の心境を明かしました。
「見積書をめくっていくたび、数万円単位でオプションが跳ね上がっていく現実に眩暈がしました。自分たちの見栄や世間体のために貯金をすり減らすことが、これからの夫婦生活にとって本当に正解なのかと立ち止まったのです」