食後30分の筋トレは逆効果?消化不良を防ぐベストな運動タイミング

食後30分の筋トレは逆効果?消化不良を防ぐベストな運動タイミング

食後30分の筋トレは逆効果?消化不良を防ぐベストな運動タイミングの真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

食事を終えてから約30分が経過した体内では、摂取した炭水化物や脂質、タンパク質を分解・吸収するために、胃や小腸などの消化器官が最も激しく活動を始めています。このフェーズで高強度の筋力トレーニングを行うことがなぜタブー視されるのか、その根底には自律神経と血流配分に関する人体の厳密なルールが存在します。

食事の直後から1時間程度にかけては、副交感神経が優位になり、全身の血液の約20〜30%が胃腸などの消化器系に集中します。これによって胃酸の分泌や消化管の蠕動(ぜんどう)運動が活発に行われます。ところが、このタイミングでバーベルを握ったりスクワットを行ったりすると、身体は瞬時に戦闘モードである交感神経優位へと切り替わります。

交感神経が興奮すると、心拍数が急上昇すると同時に、活動中の骨格筋へ優先的に酸素と栄養を届けるため、消化器官の血管は強制的に収縮します。その結果、消化管への血流は通常時の半分以下にまで激減。胃の中に大量の未消化物が残されたまま活動がストップしてしまい、これが食後筋トレ消化不良理由の最大要因となります。胃に滞留した食物が正常に十二指腸へ送り出されないことで、胃酸過多や胃もたれ、胸焼けが生じるだけでなく、最悪の場合は激しい腹痛を引き起こします。

さらに見過ごせないのが、エネルギー供給の齟齬による筋肉分解(カタボリック)のリスクです。食後30分の時点では、食べた物がまだ十分に分解されてグリコーゲンやアミノ酸として血中に還元されていません。胃の中に食べ物が入っているにもかかわらず、肝心の筋細胞内には即座に使えるエネルギーが不足しているという皮肉な状態に陥ります。この状態で高負荷をかけると、身体は不足したエネルギーを補うために自らの筋組織を分解し始める恐れがあり、筋肉を大きくするために行ったトレーニングが逆効果を生む結果となってしまいます。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。