東大英語の試験時間は120分ですが、これを「120分の試験」と捉えている時点で不合格のリスクを抱えています。なぜなら、試験開始からおおよそ45分前後が経過したタイミングで、強制的に30分間のリスニング試験(第3問)が開始されるからです。つまり、受験生に与えられている自由な筆記時間は、実質的に「前半の45分」と「後半の45分」を合わせた合計90分間に過ぎません。
この過密な90分の中で、要約(1A)、文補充・整序(1B)、自由英作文(2A/2B)、文法・語句整序(4A)、下線部和訳(4B)、そして長文読解(5)という重厚な大問群を処理しなければなりません。大手予備校関係者の分析データによると、東大英語で不合格になる受験生の約7割が「実力不足」ではなく「後半の大問における時間切れ」で失点しています。知識の有無を試す私立大学入試とは異なり、東大が求めているのは「極限のプレッシャー下で膨大な英文を精読・速読し、要点を母語で再構築する高度な事務処理能力」です。
各大問の解答時間を感覚に頼って進めると、わずか1問の悩みによって5分から10分のタイムロスが生じ、そのしわ寄せが配点の高い第5問の長文読解や第2問の自由英作文を直撃します。東大英語の時間配分を極めることは、単なる受験テクニックではなく、東大が課す情報処理適性検査を突破するための必須要件なのです。