インターネット上で「愛の標識 ギター 弾き語り」や「愛の標識 歌詞 コード」と検索すると、U-FRETをはじめとする便利なコードサイトが瞬時にヒットします。しかし、こうした無料コード譜サイトの「簡単コード」表示を鵜呑みにすることには、いくつかの音楽的な落とし穴が存在します。
ネット上の簡易コード譜では、採譜の都合上、テンションコードや経過音(クリシェなど)が一般的なメジャー・マイナーコードに丸め込まれてしまうケースが多々あります。例えば、「愛の標識」のイントロや間奏部分において、リードギターが奏でるペンタトニックスケール由来の繊細なリフや、アコギ側で鳴らされている9th(ナインス)の響きが省略されると、クリープハイプ特有の「青春の泥臭さとセンチメンタリズム」が抜け落ち、どこにでもある平凡なポップスに聴こえてしまうのです。
TAB譜を確認すると明らかなように、尾崎世界観やギタリストの小川幸慈が鳴らしている音には、あえて不協和音スレスレのテンションや、開放弦のロングトーンが意図的に配置されています。無料コード譜をスタートラインにするのは大いに推奨されますが、ある程度コード移動に慣れてきたら、ぜひ市販のオフィシャルバンドスコアやTAB譜を参照し、どの弦がミュートされ、どの音が残響として残されているのかを確かめてみてください。