インターネットやショート動画では、手軽さを強調するあまり解剖学的に危険なセルフケアが氾濫しています。特にストレートネックと二重あごに悩む人が陥りがちな誤った方法について警鐘を鳴らします。
最も危険なのが、「力任せにあごを後ろへ強く引く動作(チンタックの誤用)」です。医療機関で行われる正しいチンタックは頭蓋骨を後方へスライドさせる精密な運動ですが、自己流で行う人の大半は、単にあごを首元に強く押し付けています。これでは首の後ろ側の神経や椎骨動脈を圧迫し、激しい首の痛みや頭痛、手の痺れを引き起こすばかりか、あご下の皮膚を強く折りたたんでシワを深く刻み込む自傷行為になりかねません。
また、首を左右に勢いよくボキボキ鳴らす行為も厳禁です。関節包を傷つけ、靭帯を緩ませることで、かえって頚椎を支える筋肉が過剰に緊張し、ストレートネックを悪化させる引き金になります。さらに、ミューイングを行う際に奥歯を強く噛み締めてしまう人がいますが、これは咬筋(エラの筋肉)を発達させ、フェイスラインを横に広げてしまう原因になります。「舌は上あごに吸い付けるが、上下の奥歯は2〜3ミリ離しておく」のが歯科医学的にも正しいルールです。