もうひとつ、ビジュアル面で強烈なインパクトを残したのが、編集プロダクションで働く女子大生・須賀夏美のキャラクター造形です。
夏美は胸元が大きく開いたタンクトップやショートパンツを着用し、帆高に対してからかうように距離を詰めるコケティッシュな女性として描かれています。特に、ピンクのスーパーカブで警察の包囲網を突破するバイクチェイスシーンでは、前傾姿勢による胸元の強調や、雨に濡れた衣服の質感が生々しく描写されました。一部の視聴者の間では「夏美さんの胸の揺れやアングルが明らかにフェティッシュ」「少年を惑わす年上女性の色気が凄まじい」と大きな話題を呼びました。
また、物語中盤で明かされる陽菜の年齢設定のトリックも、鑑賞者に心理的動揺を与えた要因です。帆高は当初、陽菜を18歳(自分より年上)だと思い込んでいましたが、警察の捜査によって彼女が実際には「15歳の中学3年生」であり、児童相談所に保護される対象だった事実が判明します。15歳の少女が生活のために風俗店の手前まで追い詰められていたという現実は、作品の倫理的な緊張感を一気に跳ね上げました。
こうした要素が重なった結果、公開当時およびテレビ初放送時には「親と一緒にリビングで観ていて気まずい空気が流れた」という感想がSNSに溢れ返ることになりました。『君の名は。』のピュアな恋愛ファンタジーを期待して小学生や中学生の子供を連れて劇場へ足を運んだファミリー層にとって、新宿の怪しい路地裏、風俗スカウト、ラブホテル、水商売の気配といった描写は、説明に窮する気まずさをもたらしたのです。