Q1:熱がなく咳だけが2週間続いています。気管支炎と喘息のどちらを疑うべきですか?
A1:熱がなく乾いた咳(コンコンという空咳)が2週間以上続いている場合、一般的なウイルス性気管支炎よりも「咳喘息」または初期の「気管支喘息」である可能性が高くなります。ウイルス性気管支炎であれば初期に発熱や激しい喉の痛みを伴い、黄色い痰が出ることが大半です。平熱のまま咳だけが長引く場合は、アレルギー性の気道炎症を疑い、早めに呼吸器内科を受診してください。
Q2:市販の咳止めシロップや風邪薬を飲んでも全く効かないのはなぜですか?
A2:市販の風邪薬や一般的な咳止めシロップは、脳の咳中枢を抑えたり、鼻水を止めたりする対症療法薬です。咳の原因が「喘息」や「咳喘息」の場合、病態の本質は気管支粘膜のアレルギー性炎症と気道過敏性にあるため、中枢性の咳止め薬では効果がほとんど得られません。気道の炎症をダイレクトに鎮める吸入ステロイド薬を使用しない限り、咳を根本から止めることは困難です。
Q3:咳喘息と診断されましたが、症状が治まったら吸入薬をやめてもいいですか?
A3:自己判断での吸入中断は絶対に避けてください。吸入ステロイドを開始すると数日から数週間で咳発作は劇的に軽快しますが、気道の奥深くに存在するアレルギー炎症は完全には消え去っていません。ここで薬をやめてしまうと、高確率で症状がぶり返すだけでなく、気道の構造変化が進み、生涯にわたる治療が必要な本格的「気管支喘息」へ移行するリスク(未治療者の30〜40%)が跳ね上がります。医師が「やめても大丈夫」と判断するまで、処方された期間は吸入を継続することが鉄則です。
Q4:長引く咳で病院に行く場合、内科・耳鼻科・呼吸器内科のどこを選ぶべきですか?
A4:咳が3週間以上続いている場合は、迷わず「呼吸器内科」を掲げる医療機関を受診してください。耳鼻咽喉科は喉仏より上の上気道(鼻・咽頭・喉頭)の専門医であり、気管支や肺胞といった下気道の病態には対応しきれない場合があります。また、一般的な内科では呼気NO検査や精密呼吸機能検査(スパイロメトリー)の機器を備えていないクリニックも少なくありません。正確な鑑別診断とエビデンスに基づく吸入指導を受けるためには、呼吸器専門医が在籍するクリニックが最適です。