実際にベランダ排水のトラブルを経験した住民たちの声を聞くと、事態の切実さが浮き彫りになります。SNSやコミュニティサイトでは、梅雨や台風の時期になるたびに悲痛な叫びが投稿されています。
「深夜のゲリラ豪雨で目が覚めたら、ベランダが水深5センチの池になっていた。慌てて排水口を見たら、どこからか飛んできたコンビニ袋と落ち葉が吸い込み口にぴったり張り付いて完全封鎖。カバーさえあれば網面全体で排水できたのに、手で泥をかき出す羽目になった」(都内マンション在住・30代会社員)
また、賃貸物件特有の心理的摩擦を訴える声も目立ちます。
「隣の住人がベランダで多数の観葉植物を育てており、水やりや強風のたびに土や枯れ葉がこちらの溝に流れてくる。注意したいけれど関係が悪化するのが怖くて言えない。結局、自腹でベランダ排水口のゴミ受けとしておすすめされているステンレスフィルターを境界付近に設置して、自分の敷地内で防衛するしかなかった」(大阪府・20代賃貸アパート住民)
管理規約や賃貸契約の観点からも、ベランダ排水溝カバーを賃貸物件で設置する際の注意点は看過できません。ベランダは火災時の避難通路としての機能を兼ね備えているため、消防法および避難基準により、避難ハッチの開閉を妨げるものや、蹴破り戸(隔板)の前に恒久的な工作物を固定することは厳格に禁止されています。賃貸でカバーを取り付ける際は、退去時に完全に原状回復ができること、万が一の避難の際に即座に取り外せる「非固定式」または「簡易置敷きタイプ」を選ぶのが鉄則です。