閉鎖後の玄岳ドライブインが全国的な注目を集めた背景には、その特異な建築構造があります。外観は周囲の山並みに溶け込むような円形・半円形を基調としたモダンデザインで、内部は立体的な重層構造になっています。
地上フロアにはかつての展望レストランや売店カウンターの跡が広がり、大きな弧を描くガラス窓からは今なお雄大な自然を見渡せます。そして、この建築の最大の特色は地下階に眠るロープウェイ発着場と巨大な巻き上げ機械室です。
運行停止から半世紀以上が経過した現在も、鋼鉄製の巨大なプーリー(滑車)や制御盤などのメカニズムがそのまま残されています。昭和中期における大型土木・索道技術の貴重な遺産であり、単なる廃墟にとどまらない近代化産業遺産としての側面を強く持っています。