ショーケースに並ぶフレーバーは、決して派手なデコレーションに彩られているわけではない。余計なシロップや人工的な香料を排除し、素材そのものの持ち味を極限まで研ぎ澄ます「引き算の美学」が貫かれている。
たとえば一番人気のミルクジェラートは、牛が食べる牧草の季節変化によって微妙に味わいが変わる。春は青々とした草の爽やかさ、冬は濃密なコク。自然の営みを隠すことなく、ありのままを表現する潔さこそが、食べる人の心を揺さぶる。一口ごとに異なる表情を見せるフレーバーの数々は、まさに自然と人間が手を取り合って創り出したアートワークだ。