初心者でも迷わず、短時間で奥行きのある作品を仕上げるには、プロが実践している「3つの工程」を意識するだけで十分だ。難しい遠近法の知識は要らない。
第1ステップは「大きな図形への置き換え」だ。画面の中央に大きめの円を描き、その周囲に花びらの外枠となる少し広めの円を薄く書く。個々の花びらをいきなり描き始めるのは失敗の元。全体を時計の文字盤に見立て、12時、3時、6時、9時の4方向に基準となる花びらを配置する。これだけで全体のバランスが劇的に安定する。
第2ステップは「2色のコントラスト配置」。黄色を一色で塗りつぶすのではなく、影になる奥の花びらには深みのあるオレンジ色や黄土色を仕込む。手前の花びらには明るいレモンイエローを置く。たったこれだけの作業で、平面だった紙の上に光と影の境目が生まれる。
第3ステップは「中央部(筒状花)のテクスチャ演出と一箇所へのハイライト」だ。中央の種が集まる部分は、黒や茶色の点をランダムに打つだけで圧倒的な質感が生まれる。仕上げに、光が差し込む方向に白い点や淡い黄色のハイライトを極少量のせれば完成だ。全体を均一に書き込まないメリハリこそが、立体感の正体である。