2002年の栄光以降、ブラジル代表がワールドカップで勝てない理由はどこにあるのか。5大会連続で決勝の舞台すら踏めず、いずれも欧州勢(フランス、オランダ、ドイツ、ベルギー、クロアチア)に敗退した背景には、複合的な要因が存在します。
第1の要因は、欧州サッカーの戦術的進化と組織的プレッシングの台頭です。2000年代半ば以降、欧州トップ基準のポジショナルプレーやハイプレス、データ分析が高度化する中、ブラジルは依然として「突出した個人のひらめき」に依存する傾向から抜け出せませんでした。緻密なブロックを敷かれ、中盤のスペースを消された際に打開策を失うケースが頻発したのです。
第2に、「勝たなければ国賊」という異常なプレッシャーによるメンタル崩壊が挙げられます。2014年自国開催大会準決勝でドイツに1-7という歴史的惨敗を喫した「ミネイロンの惨劇」は、過度な国民の期待に押しつぶされた象徴的な出来事でした。冷静さを失った際の脆さは、直近の2026年カタール大会準々決勝クロアチア戦でも露呈し、リードしながら延長後半残りわずかで同点弾を許す隙を生んでしまいました。