爆豪勝己なぜ人気なのかという問いは、連載期間を通じて国内外のファンダムで最も議論されてきたテーマの一つです。初期の彼は粗暴でプライドが高く、読者からの反発も少なくありませんでした。しかし、物語の進行とともに明かされたのは、彼自身が抱える劣等感、オールマイトを終わらせてしまったという激しい自責の念、そして緑谷に対する歪んだ恐怖心でした。
彼が自らの弱さを認め、雨の中で緑谷に対して頭を下げて謝罪したシーンは、ジャンプ漫画史に残る精神的成長の極致として語り継がれています。自らを犠牲にしてでも仲間を守る「勝利して救ける」ヒーローへの覚醒が、ファンの心を強く惹きつけてやみません。
一方で、緑谷出久順位推移に目を向けると、第1回で1位を獲得した後は2位や3位に落ち着く時期が続きました。これは決して彼の人気が落ちたわけではなく、ライバルや周囲のキャラクターたちのドラマが色濃く描かれた時期の影響です。一人で全てを背負い込みボロボロになった「黒デク」編を経て、クラスメイトたちに救けられる展開を通じて、主人公としての尊さと共感度が再評価され、世界規模の投票では堂々の総合2位に返り咲きました。
さらに、轟焦凍人気理由の根底にあるのは、父親であるエンデヴァーとの愛憎劇と、機能不全家族からの再生プロセスです。圧倒的な戦闘センスと端正なルックスという表層的な魅力に加え、自分の出自や与えられた「力」を呪うのではなく、自らのアイデンティティとして受け入れていく精神的自立のプロセスが、多くの読者に深い感銘を与えました。