事態を重く見た親会社・トヨタ自動車との関係性も大きく揺らぎました。トヨタのトップは「ステークホルダーの信頼を裏切る行為」として強い遺憾の意を表明。商用車連合の枠組みからの除外や、トヨタ主導による経営監視体制の強化が進められました。
経営責任の明確化に向けては、歴代の社長・役員に対する報酬の自主返還や役員処分が実施され、旧来の経営体制からの刷新が図られました。さらに、ダイムラートラック傘下の三菱ふそうトラック・バスとの経営統合に向けた協議など、生き残りをかけた抜本的な業界再編が進行しています。
現在、日野自動車が進めている企業体質改善策の骨子には、以下の3つの柱が据えられています。
- 「人財ファースト」への転換:現場の声を吸い上げる1on1ミーティングの導入と、360度多面評価によるマネジメント層の監視。
- 開発プロセスの透明化:第三者機関による認証試験のモニタリングと、達成不可能なスケジュールの見直し・是正ルールの策定。
- コンプライアンス相談窓口の完全外部化:通報者の秘匿性を担保し、報復人事を厳正に処罰する内部告発制度の再構築。
これら改善策の実効性を担保し、かつて失われた現場の「心理的安全性」を取り戻すことができるかが、同社の再生を左右する最大の焦点となっています。