ミケの行動原理を決定づけているのが、敷地の入り口にそびえ立つ通称「黄泉への扉」こと試しの門の存在です。全7段階で構成されるこの巨大な門は、最も軽い第1の扉ですら左右合わせて4トンもの重量を持ち、腕力を持たない一般人は開けることすら叶いません。そしてここには、訪問者の生殺与奪を分ける厳格なルールが敷かれています。
門をごく正規の腕力で押し開けて入ってきた者に対して、ミケは襲いかかることがありません。一方で、門の隙間をすり抜けたり壁をよじ登ったりして侵入した不法侵入者は、例外なくミケの捕食対象となります。門番のゼブロやシークアントが侵入者の残骸を片付ける際、ファンの間でショッキングなキーワードとして記憶されているのがミケと「皆喰亭」にまつわる逸話です。
訪れた侵入者を「骨ひとつ残さず皆喰らい尽くす」という徹底的な残虐性と、門番たちが詰め所周辺で死体を処理する日常的光景のシュールさは、読者に計り知れない恐怖を植え付けました。ルールを守らない者を機械的に粛清して胃袋に納めること自体が、ゾルディック家の絶対的な威厳と排他性を保つための防壁となっているわけです。