日本のポップカルチャーが世界へ浸透する原点となったのが、宮崎駿監督率いるスタジオジブリの存在だ。『千と千尋の神隠し』が『Spirited Away』と題され、主人公の千(Sen)と千尋(Chihiro)の重層的な名前の持つ意味が英訳版でも見事に表現されたことは、翻訳史上の金字塔と言える。キャラクターの精神性を崩さずに欧米の観客へ伝える手法は、ジブリ作品が切り拓いた大きな業績だ。
また、日本のアニメ輸出の先駆者である東映アニメーションも忘れてはならない。同社が手がけた数々の名作は、かつて海外進出の初期段階においてキャラクター名の大幅なローカライズ(名前の英名化)を経験した。しかし現在では、オリジナルへのリスペクトから日本語名をそのままアルファベット表記するスタイルが世界標準となっている。