東京・芝公園に所在する日本グランド・ロッジ。その起源は古く、黒船来航とともに来日した外国人が結成したロッジにまで遡る。だが、現在も囁かれる「日本の政財界を裏で支配している」という陰謀論はどこまでが真実なのだろうか。
実態は拍子抜けするほど現実的だ。組織内部の規定によると、入手困難とされる入会条件には厳格な基準が存在する。21歳以上の男性であること、至高の存在への信仰を持つこと、既存会員2名以上の推薦、そして厳密な背景調査をクリアした上で、支部内での全会一致の承認が必要とされる。高額な会費や厳格な推薦システムが参入障壁となり、結果としてかつて政財界の名士が多く名を連ねることとなった。
密室での会合や独特の握手、シンボルを用いた儀式が「暗躍」のイメージを増幅させたことは否めない。しかし、実際の活動は会員相互の親睦や地域社会への慈善活動が中心だ。陰謀論は、不透明な権力構造に対する人々の不安が作り出した幻想の産物に過ぎない。