多くのリスナーが最初に抱く疑問が、この独特なタイトルの読み方と名付けの理由です。公式な「me me she」の読み方は「めめしー」であり、日本語の形容詞である「女々しい」の響きをそのままアルファベットで当て字にしたものとして知られています。しかし、このタイトリングは単なる音合わせの駄洒落にとどまりません。
英語表記の構成要素を分解すると、「me(僕)」「me(僕)」「she(彼女)」という3つの代名詞が並んでいます。ここで「me」が2回繰り返されている点に、野田洋次郎の卓越した言語感覚が光ります。失恋という極限状態において、「別れを受け入れようとする理性的な僕」と「どうしても未練を断ち切れない感情的な僕」という二重の自己意識がせめぎ合い、その視線の先には去りゆく「彼女(she)」がただ一人佇んでいるという構図です。
自分自身の肥大化したエゴと未練の深さを「me me」と重ねて表現し、それを総体として「女々しい」と自嘲する構造は、極めて自己批評的でありながら詩的完成度を誇っています。別れに際して格好をつけることなく、自らの女々しさをタイトルそのもので引き受ける潔さこそが、この楽曲が放つ切実さの第一歩となっています。