ネット上の音楽コミュニティやSNS、レコード愛好家の集うフォーラムを調査すると、松田聖子の『風立ちぬ』に対しては他のアイドルソングとは明らかに異なる熱量の高いコメントが寄せられています。
「イントロのアコースティックギターとカスタネットの響きを聴くだけで、一瞬であの頃の秋の空気が蘇る」「聖子ちゃんの少し掠れた声が、切なさを何倍にも増幅させていて胸が締め付けられる」といったリアルタイム世代の声はもちろんのこと、近年では20代〜30代のリスナーから「シティポップを掘り進めて最終的にここに辿り着いた」「大滝詠一の『ロンバケ』と地続きの最高峰サウンド」といった声が多数見受けられます。
スタジオワークの観点からも、当時のレコーディングエンジニアやスタジオミュージシャンが残した回想録において、「アイドルのレコード制作という枠組みを完全に壊し、全員が最高の芸術作品を作るという異様な熱気に包まれていた」と語られており、商業性と作家性が奇跡的なバランスで結実した現場であったことが裏付けられています。