教育関係者へのヒアリングや各種アンケート調査の動向を俯瞰すると、成人男女のおよそ35%〜40%が「日常会話や道案内で東西南北を使われると直感的に理解できない」と感じている現状が浮き彫りになっています。
SNSやQ&Aサイトに寄せられるリアルな声を見てみると、次のような典型的なつまずきパターンが頻出しています。
「駅の案内板で『東口』『西口』と言われても、自分がどの方向を向いているか分からないので必ず迷う。結局『改札を出て右・左』と書いてほしい」(20代・会社員)
「車のカーナビが『北東方向です』とアナウンスするたびに一瞬フリーズする。ヘディングアップ(進行方向が上)に設定していないと運転できない」(30代・主婦)
「小学生の娘に『地図の右はなんで東なの?』と聞かれ、理屈で答えられず適当にごまかしてしまった」(40代・保護者)
この背景には、スマートフォンの地図アプリで主流となっている「端末の向きに合わせて画面が自動回転する機能(進行方向連動)」への過度な依存があります。自己位置を中心とした「主観的空間(前後左右)」でしか移動を処理しなくなった結果、地球上の絶対位置を示す「客観的空間(東西南北)」に脳内マップを変換する回路が使われにくくなっているのです。